ブランディングは魔法じゃない
「ブランディング」という言葉には、なんだか特別な響きがあります。
ブランドが育つと、安売りしなくても選ばれる。社員が誇りを持ち、採用もうまくいく。
そんな“カラフル”な未来を想像して、期待が膨らむ。
でも⋯ここで一つ大事なことを言わせてください。
ブランディングは魔法ではありません。
すぐに利益が倍になるような即効薬ではないし、
「デザインを変えたら翌日から大行列!」なんて都合のいい話でもない。
だからこそ、私たちはブランディングの「光」と一緒に、
「影=デメリット」も正直に伝えたいと思います。
1. コストに応じた効果が保証されているわけではない
ブランディングは、広告のように「出稿すれば必ず○○人に届く」といった計測がしにくい側面を持っています。
人の心やイメージといった定性的な領域に深く関わるからです。
つまり、かけたコストと成果が必ず比例するとは限らないのです。
だからこそ大切なのは、勘やノリで「なんとなく良さそうだから」ではなく、
しっかりヒアリングを行い、データや実態に基づいて「なぜそれをやるのか」を明確にすること。
私たちVISTRISEが時間をかけて対話するのは、まさにこの“なぜ”を見つけるため。
色を間違えれば、せっかくの投資も灰色になってしまいます。
そして何より、私たちは「答え」を持ってはいません。
「答え」はお客様の中にあり、
お客様自身が本気で取り組まなければうまくいくことはありません。
2. 効果が出るまでに時間がかかる
ブランディングは短距離走ではなく、マラソンです。
しかもゴールが有りません。
理念や価値観といった「色」が社内に浸透し、社員が自分の言葉で語れるようになり、
さらに社外の人にまでそのイメージが伝わるには、どうしても時間がかかります。
即効性を期待して「すぐ結果が出ないじゃないか」と焦ってしまうと、継続が難しくなる。
逆に、時間をかけて続けるからこそ、根が張り、色褪せないブランドになる。
ブランディングは経営そのものでもあります。
大手企業は広告費で一気に広めることができるかもしれません。
けれど小規模企業には、じわじわと伝わる「本物の一貫性」という武器があります。
時間を味方につける覚悟が、成功へのカギです。
3. 顧客離れが起きる可能性もある
ここは少し怖い話かもしれません。
ブランディングを進めると、それまで付き合ってきた顧客や社員の一部が離れていくことがあります。
なぜか。
それは、ブランドメッセージが鮮明になればなるほど、
「合う人」と「合わない人」がはっきりしてくるからです。
でも安心してください。
離れる人がいる一方で、強烈にファンになってくれる人も必ず現れます。
「誰にでもそこそこ好かれるグレー」ではなく、
「1%でも熱狂的に支持してくれる色」へ。
これこそがブランディングの本質。
だから私たちは「嫌われる勇気」を持ち、色を磨くことを勧めています。
まとめ:デメリットを知った上で、楽しもう
ここまで「デメリット」を並べてきましたが、
実はこれこそがブランディングの“おもしろさ”の裏返しだと思っています。
- コストが保証されない → だからこそ「自分たちの色」を真剣に見極める必要がある
- 時間がかかる → だからこそ根が張り、揺るがないブランドになる
- 顧客が離れることもある → だからこそ、本当に合う仲間と強固な関係が築ける
結局、ブランディングは「楽(らく)」ではありません。
地味な作業も、対話も、時には痛みも伴います。
私たちは真剣にお客様に向き合うため、忖度も遠慮もしません。
でも、そのプロセスを真剣にやるからこそ、
仕事は誇りに変わり、もっとおもしろくなるのです。
VISTRISEのミッションは「モノクロをカラフルに。」
退屈な毎日を抜け出し、自分たちの“色”で未来を描きたいと願う企業に、
私たちは伴走します。